なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

ハッカーダイオヘッド

 ちょっとだけハッカーダイオヘッドの解説をする。このマンガは実際に技術者として働いている橋本和*1氏が原作を書くハッカーもの、というかクラッキングもののマンガだ。主人公の甲斐ハヤトと彼の勤めるITよろず請負事会社DAIDOエンタープライズのメンバーがクラッキング組織と戦う話である。
 実際にある、もしくはあったセキュリティホールソーシャルハッキング、フィッシングなどを題材にして物語は進んでいく。基本的にはDAIDOに様々な依頼があって、主人公たちがその裏で動いているクラッカーたちの正体を突き止めていくという筋書きである。そんな中に主人公ハヤトとDAIDOの社長と謎のハッカーDioheadの奇妙な関係やヒロインの過去の物語などが織り込まれている。
 やはりその筋の人が原作を書いているだけあって、クラッキング手法などにはリアリティがある。各回の終わりにはその回で使われたクラッキング手法についての解説があるのだが、私みたいなにわかものには興味深い話ばかりである。
 また、主役格のキャラクターの性格がしっかり立っているところなど物語を作る上で押さえるべきところはしっかりと押さえているし、小ネタをちゃんと利かせているところも好感を持てる。ライフドア社長の堀井さんとか、主人公ハヤトのわかりやすすぎる女性の好みのお陰でメガネっ子率が異様に高いとか。
 惜しむらくは単行本化される気配が一向に無いところだ。ぜひ単行本として手元に置いておきたいのだが。

*1:ググってもあまり情報が出てこないのだけれど、アセンブラの本とかを書いているこの方だと思われる。amazon:橋本和明