なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

ナツ100

 気づいたのが遅くって、ちょっと締め切り破り気味ですが漫画ナツ100に参加することにしました。
ナツ100参加者募集 終わりました。 - 酔拳の王 だんげの方
 漫画ナツ100のルールは以下のとおり。

・連載が終了しているもの。

・連載中のものは20巻以上発行されている物

・現在でも比較的手に入りやすい、読みやすいもの。(古本屋とか 漫画喫茶とかで手に入る 読める)

・最低ラインは50個です。(100個選べない人用)

 比較的手に入りやすい、ということに関してはちょっとルールを無視し気味ですが、何とかナツ100を選んでみました。私の漫画雑誌購読遍歴に思いっきり影響されて、ガンガン系、ビックコミックオリジナル系辺りの割合が多めになってます。
 順番は不同。本の詳細ページへのリンクは、画像の有る無しを優先して選びました。
 締め切りに遅れそうなのでとりあえず50作で。今後追加して行くと思います。60作まで追加しました。まだいくらか更新するつもりですが、さすがに100作挙げるのは無理かもという気持ちになってきましたorz。とりあえず完結。100作は無理でした。ちなみに口調が普段と違うのは何となくです。

1. 南国少年パプワくん 柴田亜美

南国少年パプワくん (1) (ガンガンコミックス) ガンマ団から秘石を盗み出してきた主人公、シンタローは、逃げているうちに不思議な島にたどり着く。その島で出会った少年、パプワくんはとっても破天荒なお子様だった!というあらすじの漫画です。最初は思いっきりギャグをやっていたのに、あれよあれよという間に壮大な物語に。ガンマ一族の因縁も泣かせるものがありますが、やはりパプワとシンタローの間の友情が良いです。泣けます。

2. クラリオンの子供たち 堤抄子

クラリオンの子供たち ぶっちゃけ手に入り難い単行本だと思うのですが、好きなので選んでしまいました。堤抄子の初期作品を集めた短編集です。特に迷える電気羊のためにという短編が大好きです。大学生のレナは人間とアンドロイドの共存をテーマにしたレポートを書くため、山名教授と教授が所有するアンドロイドに取材を申し込むが…、という話のたった23ページ程の短編です。しかし、アンドロイドの青年の純粋さ、山名教授の悲しさ、レナの無力さが何時読んでも心に沁みます。ちなみにこの短編集、宮崎駿が解説を書いています。

3. 那由他 佐々木淳子

那由他 (1) (MF文庫) 壮大な超能力もののSF作品です。普通の少女だったはずの那由他がふとしたことで超能力を手に入れてから、転がるように大きな戦いに巻き込まれて行く様に本当にドキドキします。最後の宇宙創造にまで踏み込んだオチも好きです。

4. スパイラル〜推理の絆〜 原作:城平京 作画:水野英多

スパイラル―推理の絆 (1) (ガンガンコミックス) 最初のうちの普通の推理漫画をしている辺りはさして面白くないのですが、3巻後半から6巻あたりにかけての推理合戦サスペンスはかなり面白いです。個人的にはデスノート以上に面白い。その後話が宗教の様な世界に行ってしまって置いてけぼり感を味わいましたが、それはそれとして一見何も信じていないように見えながら結局は一番何かを信じている終盤の歩の姿が好きなので、個人的には名作です。

5. ハルマゲどん 渡辺志保梨

ハルマゲどん 1 (ガンガンコミックス) ガンガン誌上の2ページギャグ漫画投稿から、読み切り、連載、単行本化にまでこぎ着けた作品です。どうにも情けない恐怖の大王のハルマゲと、超天然いい子の野亜のコンビがほのぼのしてていいです。特に2巻の最終ページの二人のやり取りが、二人らしくて無茶苦茶好きです。

6. 夢幻街 水沢勇介

夢幻街 1 (ガンガンコミックス) 初期のガンガンに載っていた伝奇ものの作品です。少年誌にしては珍しく主人公が25歳前後で、青年誌的な雰囲気を漂わせた作品でした。小学生の頃に読んだのですが、優しい眼鏡のお兄さんでも実は怒って眼鏡外すと怖いんだ、という主人公のキャラクターが大好きで、お陰で今ではすっかり眼鏡萌え女子になってしまいました。

7. 聖戦記エルナサーガ 堤抄子

聖戦記エルナサーガ (13) (GFC) 敵国同士の王女と王子が助け合って世界を救うというよくありがちなファンタジーなのですが、まっすぐ、そして綺麗に王道展開を描ききっているのが凄いです。奇をてらった訳ではないのに心に残る登場人物の作り方も凄い。

8. アダ戦記 堤抄子

アダ戦記 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) うわ、堤作品3作目だ。この作品は、凶星のもとに生まれた青年アダが次第に世界の存亡をかけて戦うようになるという物語です。堤作品の魅力っていうとしっかりとした世界と、語尾に特徴があったりとか変な趣味があったりとかする訳でもないのにちゃんと個性が確立された登場人物と、ただまっすぐに人が動かす物語だと思うのですよ。このアダ戦記もそんな堤作品の魅力が存分に発揮されてて大好きです。

9. GS美神極楽大作戦!! 椎名高志

GS美神極楽大作戦!! 01 (少年サンデーコミックスワイド版) 最初の頃の美神を主役としたコメディ風味の話も大好きなのですが、中盤以降の横島が主役化しだす辺りからの話が熱いです。ヘタレてた横島がどんどん成長して行くのを見てるのが楽しい。

10. レベルE 冨樫義博

レベルE (Vol.1) (ジャンプ・コミックス) キャラクターの勝利。作画やプロットの練り方などのレベルももの凄く高いのですが、やはり登場人物たちのキワモノっぷりがこの作品の一番の魅力かと。個人的には可愛い顔してやること凄いルナ嬢が好きです。

11. G戦場ヘヴンズドア 日本橋ヨヲコ

G戦場ヘヴンズドア 3集 (IKKI COMICS) 強烈な印象を残してくれる作品です。もう読むと心臓に爪を突き立てられた様な気分になります。漫画家になることを目指す二人の少年の物語なのですが、漫画にかける二人の青春と情熱と焦燥が熱すぎて、読むとどうしても泣いてしまいます。

12. おひっこし 沙村広明

竹易てあし漫画全集 おひっこし (アフタヌーンKC) 大学生の青春恋愛劇なのですが、不条理系っぽいギャグを交えつつ展開して行く等身大の恋愛劇が良いです。誰かが笑っている陰では誰かが泣いている、そんな切ないところも好きです。同時収録されてる『少女漫画家無宿 涙のランチョン日記』も面白いです。

13. レヴァリアース 夜麻みゆき

レヴァリアース 1 (ガンガンファンタジーコミックス) 少年ウリックと王子シオンが、それぞれの因縁を抱えながら消えた勇者の足跡を追って旅をする、というファンタジー漫画です。シオンにどれだけ感情移入出来るかでこの作品の評価は変わると思うのですが、シオンに感情移入しまくってしまった私にとって、この作品は今までで一番泣けた漫画です。

14. GOGO!ぷりん帝国 くぼたまこと

GO GO!ぷりん帝国 6 (ガンガンコミックス) 地球制服を狙う惑星ババロアの怪人たちの、どうしようもない感じでもついあるあると言ってしまう様な情けない日常を描くギャグ漫画です。怪人なのに妙に人間臭いキャラクターたちや、そんな彼らが地球を見て変な勘違いをする様などがとても面白い名作です。

15. アフター0 岡崎二郎

アフター0―著者再編集版 (2) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション) SFというよりはファンタジーの様なSF短編連作です。優しい絵柄で描かれる、怖かったりドキドキしたりほのぼのしたりする様々な物語についつい引き込まれてしまいます。個人的には新装版8巻に収録されている赤富士の話が大好き。

16. 壁ぎわ税務官 佐藤智一

壁ぎわ税務官 1 (ビッグコミックス) 税務官というちょっと珍しい職業を題材にした作品。県民の皆さんのためにと頑張る新人税務官の石上と、とてもアクの強いベテラン税務官鐘野のコンビがいい感じです。なんだかんだ言って優しくて面倒見が良いんだけどやっぱり意地悪な気がする鐘野のキャラクターが面白かったです。

17. 浮浪雲 ジョージ秋山

浮浪雲 (1) (ビッグコミックス) 連載中だけど20巻は軽く超えているので。遊び人の浮浪雲を中心とした人情ものの時代劇なのですが、優しかったり厳しかったりする人間ドラマが非常に面白いです。この作品に関してはビックコミックオリジナルの連載分を読んでいただけなのですが、一度しか読んでないのに何年経っても忘れない台詞がちらほらあります。これって実はものすごく凄いことじゃ?

18. 闇は集う 松本洋子

闇は集う (1) (講談社コミックスなかよし (789巻)) ホラーストーリーの短編連作少女漫画です。全体的にクオリティは高いのですが、個人的にイチ押しの話は第2巻収録の最後の晩餐という話です。両親の離婚に巻き込まれる幼稚園生の少女香澄の物語なのですが、この香澄ちゃんが幼稚園生のくせに非常に強烈なキャラクターです。今まで読んだ漫画の中で、最恐の幼稚園生と言っても過言ではないと思います。

19. スレイヤーズ 原作:神坂一 作画:あらいずみるい

スレイヤーズ (角川コミックスドラゴンJr.) 元はライトノベルスレイヤーズを、イラストレーターのあらいずみるい自らがコミック化したファンタジーコメディー作品です。あらいずみ氏は絵が非常に上手いのはもとより、元は漫画家だっただけあってコマ割り等も非常に上手いです。多分漫画化されたスレイヤーズの中では一番面白い。

20. 機動警察パトレイバー ゆうきまさみ

機動警察パトレイバー 1 (少年サンデーコミックス) レイバーと呼ばれるパワードスーツが普及した世界を舞台にした近未来SFです。ロボットものだけど、生活感とかがあふれたりしてて結構リアルなところが特徴。物語やキャラクターたちもですが、その世界観が特に面白いと思います。

21. めぞん一刻 高橋留美子

めぞん一刻 (1) (小学館文庫) 浪人生の五代が住むアパートに新しくやってきた美人管理人の響子さん。彼女を好きになる五代だったが、なんと彼女は若くして未亡人だった、というあらすじの不朽の名作。五代君の告白シーンで響子さんが出した条件が切なくて良すぎます。あと、朱美さんの「お勘定」のシーンも印象に残る名シーンです。

22. DRAGON QUEST -ダイの大冒険- 原作:三条陸 作画:稲田浩司

ドラゴンクエスト―ダイの大冒険 (1) (ジャンプ・コミックス) 少年ダイが魔法使いポップなどの仲間とともに旅をし、勇者として成長して行く物語。この漫画も王道展開を堂々と行くのが清々しいです。そしてポップ。何はともあれポップ。この漫画の真の主人公はポップですよ。卑怯者で臆病者だったポップの成長劇は素晴らしいの一言です。

23. ヒーリング・プラネット 桜野みねね

ヒーリングプラネット (BLADE COMICS) 天然ぼけ少女さとりが異次元人に選ばれ、異次元カウンセラーとして活躍する物語。絶対に人を選ぶ作品ですが、私は好きです。相当作者さんがわがままに描いた作品ではないかと思うのですが、その作者さんの筆の暴走っぷりというか、描きたいものをただ素直に描いた感じが面白いのです。

24. 風の谷のナウシカ 宮崎駿

風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判) 言わずと知れた宮崎駿の名作アニメの原作です。原作といえども完結したのは映画が公開されてから10年も後のこと。そのため、映画では全く到達しなかった腐海の真実まで描かれています。その真実があまりに強烈で、私はこの原作を最後まで読んでからは映画版は軽いダイジェストにしか思えなくなってしまいました。また、クシャナが非常にかっこいいのも漫画版の特徴。本当に名作です。

25. バーバーハーバー 小池田マヤ

バーバーハーバー (1) (モーニングワイドKC) 大阪の床屋のマスター皆人と東京のOLの東子の遠距離恋愛を描いたストーリーものの4コマ漫画です。皆人と東子の距離が徐々に近づいて行くラブコメ模様も良いのですが、彼らの周りの登場人物たちも存在感があっていいです。最後は綺麗なハッピーエンドで、読んでて幸せになれる作品です。

26. デザイナー 一条ゆかり

デザイナー (前編) (Queen’s comics premium) トップモデルの亜美は親に捨てられた過去を持っていた。しかしある日、自分を捨てた母親がトップデザイナーの鳳麗香だと知ってから、亜美の復讐の幕が開く、という物語。ファッションの世界を舞台に、まるでジェットコースターのようにスピード感たっぷりに物語が二転三転する作品です。亜美の復讐にかける情熱とその裏のもろさ、母親であることすらも捨ててデザイナーの道をひた走る麗香、そんな二人を見つめる謎の青年朱鷺、登場人物の間に編まれた愛憎の糸に空恐ろしさまで感じます。

27. コミックマスターJ 原作:田畑由秋 作画:余湖裕輝

コミックマスターJ 1 (ヤングキングコミックス) 魂のある漫画のアシストしか引き受けない、伝説の凄腕漫画アシスタントコミックマスターJの物語です。物語の素材である漫画製作現場に関してはある程度現実を反映しているのでしょうが、その世界で展開される物語はまさにトンデモの一言。しかし、そのトンデモな物語が非常に熱い一作です。

28. ゲッチューまごころ便 緋采俊樹

ゲッチューまごころ便 1 (少年チャンピオン・コミックス) 宅配業を営む実家を手伝う高校生、後藤紅男を主人公にした宅配便ギャグコメディーです。無駄の無いコマ運びで、毎回20ページ足らずのページ数にしっかりと話をまとめているのが凄いです。基本はギャグコメディーなのだけれど、主人公たちの友情や人情にちょっとほろりとさせられる話が多数ちりばめられているのも、面白さの要因の一つ。仲間がいるって良いものだと思わされます。

29. 幸福の丘のニュータウン 細野不二彦

幸福の丘ニュータウン (ビッグコミックススペシャル) 団地を舞台にしたホラーストーリー。お父さんたちが働きに出ている間、家を守ってる女たちは…、という女性の静かな狂気を描いた作品です。雑誌掲載分を読んでいたのですが、怖いのだけれど面白くって何度も読み返し、次の作品が載るのを本当に楽しみにしていました。一番最初に読んだ細野作品がこれだったお陰で、私の中では細野氏はホラー作家という思い込みが出来てしまい、『愛しのバットマン』なんかも怖いタイトルに思えてしまっていたり…。

30. ヒカルの碁 原作:ほったゆみ 作画:小畑健

ヒカルの碁 (1) (ジャンプ・コミックス) 小学生ヒカルが平安の天才囲碁棋士の幽霊佐為と出会い、自身も囲碁を始め囲碁の高みを目指して行くという、対決成長ものの少年漫画です。囲碁がわからなくてもぐんぐん作品世界に引き込まれてしまいます。熱い対決、燃える成長という少年漫画のセオリーをしっかりと踏襲した、王道を行く少年漫画です。

31. 清村くんと杉小路くんと 土塚理弘

清村くんと杉小路くんと 1 (ガンガンコミックス) 不良高校生清村が、一見普通そうな同級生の杉小路に無理矢理サッカー部に入れられ、なんだかとにかくいじられるというギャグ漫画です。下手をするとろくなオチが無かったりすることもありますが、とにかく勢いだけはあるギャグです。一見普通で優等生っぽいのにやることはとにかくえぐい杉小路と、しっかりとした不良のはずなのに全く杉小路に歯が立たない清村のやり取りが面白いです。

32. スペースアルプス伝説 田丸浩史

スペース アルプス伝説 (少年キャプテンコミックススペシャル) 高校ワンゲル部を舞台にした笑いとネタのラブコメディー。ラブコメというか、ラブギャグというほうが近い気がします。田丸浩史の個性が存分に発揮されたその笑いの濃さ、大爆笑必至です。田丸作品にしては下ネタ分が控えめなのも、取っ付き易さの一つではないかと。ちなみにアルプス伝説とスペースアルプス伝説の違いはアルプス伝説とは - はてなキーワードを参照してください。他の方のナツ100を見ていたら普通のアルプス伝説とスペースアルプス伝説両方があったので念のため。

33. 王ドロボウJING 熊倉裕一

王ドロボウJING新装版(1) (KCデラックス) 狙ったものは時さえ盗む、王ドロボウ・ジンの冒険物語。この作品はとにかく個性的です。キャラクター造形や物語、コマ割り、舞台設定、絵柄など、ほかの作品ではお目にかかれないようなものばかりです。続編として、KING OF BANDIT JINGという作品も出ていますが、こちらもその個性は健在。というより、ますます磨きがかかってます。この唯一無二といっていい作品世界にすっかりやられてしまいました。

34. サクラテツ対話篇 藤崎竜

サクラテツ対話篇 上巻 (ジャンプコミックス) 都内の超一等地に立つ自宅を守るため、日夜アルバイトに励む高校生の桜テツ。しかしある日、そのテツの家を狙って宇宙人に未来人に地底人までもがやってきた!という破天荒なあらすじの作品です。何が好きかって、もうこの突拍子もない登場人物ばかりが出てくるノリが大好きなのです。宇宙人に未来人に地底人だけでは飽き足らず、お尻の穴の神様に魔界の王子によくわからなくてとにかくむさいナルシストにと、よくここまで変なキャラクターが思いつくものだと思うくらい変なキャラクターのオンパレード。そしてえらいメタな方向に飛んでいく終盤の展開も、序盤から突拍子のないことばかりしていたせいか普通に受け止められてしまいます。最後のオチも大好きです。

35. 聖-天才・羽生が恐れた男- 山本おさむ

聖―天才・羽生が恐れた男 (1) (ビッグコミックス) 幼い頃から難病を抱えながらも生きるために将棋にすべてをかけた実在の天才棋士村山聖氏の29年の短い生涯を漫画化した作品です。文字通り命をかけて将棋に臨む聖の姿に、ただただ圧倒されます。

36. ハーメルンのバイオリン弾き 渡辺道明

ハーメルンのバイオリン弾き 1 (ガンガンコミックス) 巨大なバイオリンの演奏を武器とする勇者ハーメルとその仲間たちの冒険の物語。作品世界を壊しかねないくらいに破壊力のあるギャグと、非常に重たく暗い設定のギャップがいろんな意味ですごい作品です。しかしどれだけ話が暗くなろうとも、どれだけギャグが暴走しようとも、少年漫画としての心意気を忘れずに愛と勇気と友情を持って終幕してくれました。特に最終決戦は、読んでいて本当に『歓喜の歌』が聞こえた気がしました。

37. 緊急出動!すずめちゃん 柴田亜美

緊急出動(スクランブル)すずめちゃん! (KCデラックス (554)) 超お金持ちの娘、すずめちゃんが戦闘美少女に変身して悪のスーツマン軍団と戦うギャグ漫画。柴田作品で女性が主人公なのはこの作品ぐらいではないでしょうか?なかよしに連載していたのを読んでいたのですが、毎月登場する刺客たちが身にまとう特殊スーツのセンスに大爆笑していました。特に最終話に登場した『スーツマン秀樹スーツ』は忘れられません。

38. スミレ♥17歳!! 永吉たける

スミレ 17歳!!(1) (講談社コミックス) 野ノ山高校に転校して来たスミレはオヤジが操るお人形、という設定が面白いコメディ漫画です。流血しようと何があろうと一言もしゃべらずにあくまでスミレを操るのに徹するオヤジの姿や、そんなオヤジに最初は反発してたのにいつの間にやらスミレを受け入れているクラスメートたちの姿が面白い作品です。現在スミレ♥16歳!!として週刊少年マガジンで連載中。

39. 半神 萩尾望都

半神 (小学館文庫) シャム双生児として生まれた少女ユーシーとユージー。ユーシーは賢いが醜く、ユージーは美しいが知能障害を持っていた。いつもユージーのために貧乏くじばかりを引かされていることに不満を持っていたユーシーだったが、ある日、そんな二人を引き離す手術が行われて…、というあらすじです。奇跡の作品だと思います。単純に悲しいだけではない、複雑な輝きを持った感動を与えてくれる作品です。ちなみにアマゾンのレビューはネタバレ満載なので注意。

40. DRAGON BALL 鳥山明

ドラゴンボール 完全版 (1)   ジャンプコミックス 説明不要の超名作。キャラクターも物語もテンポも絵も、すべて好きです。リアルタイムで読んでいた頃はスーパーサイヤマンがかっこ悪くて大嫌いだったのですが、今読んでみると悟飯の天然ボケが面白すぎて一番好きなキャラクターになりました。あとやっぱり、悟空のおおらかで懐の広いキャラクターがいいんですよね。

41. COWA! 鳥山明

COWA! (ジャンプ・コミックス) お化けと人間が一緒に暮らす村。その村に起こったはやり病の薬を手に入れるために、お化けの少年パイフーたちと、人間の大人の丸山さんがちょっと遠いお使いに出かける、というあらすじの作品。鳥山明ドラゴンボール後に描いた作品のうち、カジカとサンドランドとこの作品とどれを選ぶか迷いましたが、読んだ後になんだかやさしい気分になれるこの作品を選びました。最初のうちは仕事として子供たちについていくことにした丸山さんが、最後にはパイフー達と友達になっている。その過程が大好きなのです。

42. MASTERキートン 原作:勝鹿北星 作画:浦沢直樹

MASTERキートン (1) (ビッグコミックス) 主人公のキートンは考古学者であるが、それだけでは食べて行けず保険調査員のアルバイトをしていた。保険調査員として彼は世界各地に派遣されるが、その派遣先では様々なトラブルに巻き込まれ…、というあらすじのサスペンス作品です。何時も何時も厄介ごとに巻き込まれ、危険な状況に陥るキートンですが、様々な機転を利かせて危機を脱する様子が面白い。また、ちょっとしんみりしたオチにもほろりとさせられることが多いです。

43. 沈夫人の料理人 深巳琳子

沈夫人の料理人 1 (ビッグコミックス) 気は弱いけど腕はいい料理人の李三と、美食家でとても意地悪な奥様。この奥様が、李三は追いつめられた方がおいしい料理を作るということに気づいてしまったからもう大変。李三はおいしい料理のために奥様から毎回無理難題を吹きかけられることに…、というあらすじの料理SMコメディ漫画です。何時も何時も見事なまでに奥様の手のひらの上で躍る李三の様子が見てて楽しいです。奥様が李三をいじめる様子を見ても嫌な気分にならないのは、やっぱり奥様もなんだかんだ言って李三を大切にしているからだと思います。

44. 攻殻機動隊 士郎正宗

攻殻機動隊 (1)    KCデラックス 情報ネットワークは発達したけれどまだ国家や民族がなくなる程ではない未来の世界で、全身をサイボーグ化した主人公草薙素子が『攻殻機動隊』として犯罪者たちに立ち向かう、あらすじにしてしまうとこんな感じの話です。しかしあまりにも深い考察に基づいて描かれた未来世界は、この漫画が描かれてから15年程経った今読んでも十二分に先鋭的で、刺激的です。

45. 女王の百年密室 原作:森博嗣 作画:スズキユカ

女王の百年密室 (バーズコミックススペシャル) 山で遭難したミチルは、死者がいないという不思議な街に迷い込む。その街で殺人事件が起こるのだが街の人々は死者の存在を認めようとしない。そんな街を支配する存在とは…、というあらすじの作品。森博嗣氏の小説をコミック化したものだが、このコミック化の出来が非常に良いです。元々先鋭的だった小説をさらにシャープに研ぎすました切れ味の良い作品。原作の持つ一種の厭世的な空気感をしっかり再現出来てるのが凄いです。

46. 迷宮百年の睡魔 原作:森博嗣 作画:スズキユカ

迷宮百年の睡魔 (バーズコミックススペシャル) 亡くなった恋人の面影を求めて、イル・サン・ジャックという街を訪れたミチル。そこで起こる首無し殺人事件。犯人は何者で、何故首を持ち去ったのか…、というあらすじの作品。女王の百年密室の続編で、やはり森博嗣氏の小説をコミック化したものです。原作世界をとても良くビジュアル化しています。長編小説を一冊の単行本に上手くまとめていますが、さすがに原作を読んでいないとちょっと良くわからないところがあるかもしれません。個人的に女王の百年密室とこの作品は、攻殻機動隊にも匹敵するんじゃないかと思うくらいに先鋭的なSF作品です。首無し殺人事件の真相は本当に驚嘆ものです。

47. 封神演義 藤崎竜

封神演義―完全版 (01) (ジャンプ・コミックス) 古代中国を舞台にした歴史ファンタジー。藤崎竜の出世作。それまでの作品からより少年誌らしい絵柄に変わって描かれています。登場人物たちが非常に個性的で面白いです。丁寧に張られた伏線を回収した上に構築される終盤の壮大な展開も好きです。

48. CHOKO・ビースト! 浅野りん

CHOKO・ビースト!! 1 (BLADE COMICS) 中学生の少年京太は、ひょんなことから天狗に育てられた不思議な力を持つ少女、ちょうこを預かることになる。山育ちで元気なちょうこに振り回されるだけでも疲れるのに、ちょうこの力を狙う謎の連中まで現れて…!といったあらすじの、ほのぼのファンタジーコメディー。もうとにかくちょうこが可愛いです。それだけでご飯3杯はいけます。

49. TWIN SIGNAL 大清水さち

TWIN SIGNAL (1) とても人間らしいロボットたちが多数登場するSF漫画。終盤失速したと思うけどやっぱり好きです。バトル系の話よりもホームコメディ系の話の方が好きでした。しかしアマゾンで検索しても出てくるのは朝日ソノラマの文庫版のみで、エニックスのコミックス版は一切出て来なかったのですが、一体何故?

50. 海鶴 森秀樹

海鶴 (3) (ビッグコミックス) 戦国時代初期を舞台に、男勝りの破天荒な三島水軍の姫、鶴が活躍する物語。戦国時代ということで国中の男たちが日本統一を夢見るさなか、たった一人世界の海に出ることを夢見る鶴のスケールの大きさが良いです。高校生の頃に連載を読んでハマり単行本も買い集めたのですが、最近読み直してみたところ鶴のわがままさが気になって楽しく読むことが出来なくなっていました。漫画とこういう分かれ方をするのは非常に残念ですが、しかし高校時代にこの作品を面白いと思った気持ちは嘘ではないのでここで挙げることにしました。

51. PON!とキマイラ 浅野りん

Pon!とキマイラ 4 (ガンガンコミックス) 浅野りん作品その2。金に汚い中学生八満が、育ち方しだいで世界の運命を左右する神獣の親になってしまったからさあ大変!といった感じの学園ファンタジーコメディー。浅野さんの描く友達とか親子とか近所の人とかって、温かみがあっていいんですよね。この作品も八満とそのクラスメートたちのゆるい友達関係の空気がいい感じです。読んでて、八満達のクラスに入りてーとかって本気で思ってました。清丸をはじめとした強烈なキャラクターも見逃せません。

52. 熱烈台風娘 立川恵

熱烈台風娘(ホットタイフーン) 1 (講談社コミックスなかよし) 孫悟空の子孫の少女チャキは武術の秘伝書を探して日本の学校にやってくるが、その学校は力がすべてを決める格闘学園だった!というあらすじの少女漫画です。少女漫画誌上で学園バトルコメディーなんてジャンルをやってしまうのは、ある意味ものすごい冒険だったのではないでしょうか?恋とか愛とか欠片もなかったと思うし。元気な天然ぼけっ娘のチャキがとにかくかわいいのですよ。

53. SLAM DUNK 井上雄彦

スラムダンク (1) (ジャンプ・コミックス) 言わずと知れた名作。最終巻を読み終わったとき、一度深呼吸をしてからまたすぐに最終巻を読み直しました。終盤の台詞に頼らず漫画というメディアの力を使い切った盛り上げ方がすばらしい作品だと思います。

54. 最終兵器彼女 高橋しん

最終兵器彼女 (1) (ビッグコミックス) 不器用にも付き合い始めることになったちせとシュウジ。しかし、ある日を境にちせは『最終兵器』になってしまい、徐々に自我を崩壊させながらも戦わなくてはならなくなってしまう。という結構トンデモなあらすじの漫画。しかし、この作品に関しては物語の舞台仕立てに疑問は挟まず、ただ理不尽な状況の中でのシュウジとちせの選択を読むのが正しいと思います。

55. 幽☆遊☆白書 冨樫義博

幽☆遊☆白書 (1) (ジャンプ・コミックス) 最初のうちはドラマ路線だったのに編集部の野望によりバトル漫画に鞍替えされて大ヒットはしたけれど作者が疲れてまたドラマ路線に戻って終わった、勝手にそう信じてる作品です。バトル路線も面白いのだけれど、個人的には終盤のバトル路線をやめてからの話が好きです。木戸君の優しさとか。

56. 七つの海 岩泉舞

七つの海―岩泉舞短編集 (ジャンプコミックス) 岩泉舞さんの短編集です。ジャンプコミックスですが、努力、友情、勝利といういわゆるジャンプ作品とはまた一風違った優しい作風の物語が収録されています。表題作の『七つの海』では、少年が大人への一歩を踏み出す様子を鮮やかに描いています。他に好きなのは『COM COP』です。主人公のお父さんっぷりが大好きです。

57. ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 アンソロジー

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 1 このシリーズを読み始めた当時にプレイしていたドラクエは5だけだったのですが、プレイしたことの無い作品のネタも十分面白かったです。特に好きだったのは牧野博幸さんときいろさんです。

58. 脂肪という名の服を着て 安野モヨコ

脂肪と言う名の服を着て (Giga comics) 女性のダイエットを題材にした作品。このナツ100のために調べていて気づいたのですが、未完成版と完全版があるようです。私が読んだのは未完成版の方。ラストは主人公全否定の鬱エンドになっており、正直読後感はあまり良くありません。それで納得出来るかどうかは読んだ人次第ですが、私は納得しました。そしてだからこそこの作品は名作だと思います。しかし完全版の方のラストはずいぶんと話が変わっているようなので、それも読まなければと思うところ。画像のリンクは私が読んだ未完成版の方に張っておきます。

59. 編集王 土田世紀

編集王 1 あしたのジョー (BIG SPIRITS COMICS) 漫画編集部を舞台にした作品。同じく漫画を題材にしているコミックマスターJやG戦場へヴンズドアと比べるとリアル路線です。老兵漫画家マンボ好塚のエピソードは泣けます。

60. 銀河鉄道999 松本零士

銀河鉄道999 (1) (小学館叢書) これもまた超有名な名作。中学校の図書館に入っていたのを奪い合うようにして読みました。メーテルと鉄郎が旅の途中で立ち寄る星でのエピソードはかなり詩的な感じです。そしてラスト、惑星メーテルの真実にも結構びっくりしたのですが、何よりもメーテルの別れの言葉が深く印象に残っています。

61. FARCE!明智博士冒険記 紗夢猫

FARCE!明智博士冒険記 (1) (角川コミックス・ドラゴンJr.) 機械に育てられた若き女性天才科学者明智が『恋』を探すために西東!といったあらすじのコメディー作品。恋のことがよくわからずに暴走する明智と、さらにそのことがよくわかっていない助手の小林君のすれ違いがツボ。科学者と神様(?)というちょっと珍しいコンビが面白かったです。

62. 究極超人あ〜る ゆうきまさみ

究極超人あ~る (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉) かなりとぼけたアンドロイド、R・田中一郎君のおかしなスクールライフを描いたコメディー作品。漫画の面白さとは何だろうと考えることがよくあるのですが、結局一番重要なファクターはキャラクターの面白さではないかと思うのですよ。面白いキャラクターたちが噛み合ったり噛み合なかったりしながら面白いことをやっている。そんな面白さが目一杯つまった作品です。

ナツ100に参加して

 とりあえずここで私のナツ100は力つきました。本気で100作挙げられてる方々は凄すぎです。
 他の方々のナツ100も多分全部読んだのですが、100作しっかり挙げられている方はやはり70年代80年代の作品の割合が高かったように思います。おそらくお年は20代後半以上か、親の代からの漫画読みだった方々が多いのでしょう。漫画を読んだ量がかなり純粋にものをいうこの企画、自分の経験の浅さを思い知らされました。と同時に、もっと良い漫画読みになるぞと決意を新たにいたしました。10年後にまたこの企画をやりたいです。その時こそ、しっかりと100作挙げられると良いなぁ。