なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

いたストで学ぶお金の増やし方

 ベア速 やる夫で学ぶバブル経済を読んで、いただきストリートというゲームのことを思い出した。このゲームはドラゴンクエストゲームデザインで有名な堀井雄二が同じくゲームデザインをしたゲームだ。詳しい解説は、いただきストリート - Wikipediaに譲るが、要するにお金持ちを目指すすごろくゲームである。ルールは上記のページを見てもらいたい。


 このゲームをやってわかったことがある。それは、お金は何かに投資すると大きく増える、ということである。
 このゲームで持てるお金は三種類ある。現金、株、店舗だ。このゲームでの必勝パターンは次のようになる。

  1. 店舗を買う。
  2. その店舗の株を買う。
  3. 株を持っている店舗に投資する。

というものだ。店舗に増資するとその店舗の株価は上がる。そのルールを利用するのだ。この戦法は、(現実の定義からは外れているが)インサイダー戦法と呼ばれている。実際にはもっと細かいルールがあり多彩な戦略があるのだが、それは省略する。
 このゲームでは現実と同様にお金は現金を持っているだけでは増えてくれない。現金は何かに投資してこそお金を増やすことができる。場合によっては手持ちの現金以上の取引をしてでもお金を増やすことができる。当然ながら、投資をしたら確実にお金が増えるわけではない。運や対戦相手の妨害により投資した分以上のお金が減ることもある。ただ、そのリスクは実際のお金運用よりははるかに低いゲームバランスに設定されている。
 とにかく、このゲームでは大きくお金を動かすほど大きなリターンがある。逆に言えば、手持ちの現金だけで取引を行っているだけだと、よほど運が良くない限り勝てない。


 お金を増やすためなら何かに投資する。それがこのゲームの、そして現実世界での基本のひとつだ。それが行過ぎた状態がバブル経済だったのだろう。このいただきストリートというゲームでは投資することのリスクはそのリターンに比べてあまりに低い。バブル経済はこのゲームと同様に投資のリスクがリターンに比べて低い状態になってしまったからこそ起こり、そしてゲームのようにゴールがあるわけではなかったから破綻したのだろう。


 最後に、森博嗣の次のエントリーを紹介して終わろうと思う。

お金はあくまでもメディアである。どこに価値があるのか、そのコンテンツを知っている人は、お金で失敗することはまずないだろう。
MORI LOG ACADEMY: お金はメディア

 そう、お金はそれ自体に価値があるわけではない。お金はモノとモノの価値を交換するために作られたメディアなのだ。私が昨日買った食品は、私が労働して獲たお金で買ったものだ。お金は私の労働と食品を交換するための媒介であったに過ぎない。私の労働には私が手に入れただけの食品に相当する価値があったのだ。
 もう一度言おう。お金はそれ自体に価値があるわけではない。それを忘れて単にお金を増やすための投資しかしない人は、どこかでお金で失敗するだろう。だから私はデイトレーダーにはならないし、株を買うとしても応援したい企業の株しか買わないだろう。


 マネーゲームは、それこそゲームの中の世界だけで十分だ。