なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

秋からオーフェン新シリーズ刊行開始を記念して超ネタバレあらすじを作ったよ

 今から約15年前、富士見ファンタジア文庫の超有名シリーズだった魔術士オーフェンシリーズが、文庫最終巻から23年後と舞台を移して、この秋から新シリーズが刊行されることになりました。

http://www.tobooks.jp/books/book_046.html

 しかしもう話の内容を忘れてしまったとか東部編に入ってから挫折したとかで、もう一度文庫を全部読み返す気はしないよという方に送る、魔術士オーフェンシリーズ超ネタバレあらすじです。

西部編(1〜10巻)

 主人公オーフェンは5年間も各地を転々とし、失踪してしまった義理の姉アザリーを探していた。その姉と再会は出来たが、その頃には姉は彼の尊敬する姉では無くなっていた。その姉の姿に失意を抱いたまま、またふらりと旅を始めることにした。なぜかマジクとクリーオウという二人も連れて。しかし、行く先々で姉の姿と、ドラゴン種族、キムラック教会の影がちらつく。
 実はオーフェンたちが住むキエサルヒマ大陸は今この瞬間にも女神によって滅ぼされようとしており、ほとんどの人間たちのあずかり知らぬところでドラゴン種族によって守られていたのだ。しかし、ドラゴン種族の力で張られた結界は大陸全土を守るにはわずかに力足りず、開いた穴から女神が侵入しようとしていた。女神を崇めるキムラック教会はこの場所を聖地とし、人目に触れぬよう隠し続けていたが、教会の改革派サルアらの誘導により、オーフェンらやアザリーはこの危機的状況を知ることになる。そしてアザリーは女神を押し返すことに挑戦し、成功はするが再び行方不明になってしまった。

東部編(11〜20巻)

 行方不明になったアザリーのことを気にかけながらも、オーフェンは大陸東部へと足を進めていた。そこで学生時代の級友コルゴンと再会する。コルゴンが実は学生時代から既に結婚してロッテという奥さんがいたとか衝撃の事実が発覚するが、しかし今は離婚の争いの真っ最中。しかも、ただの離婚争いではなく、人間側の組織『最接近領』の領主や、ドラゴン種族側の組織『聖域』が何故か絡んでくる。さらにアザリーの名前も。
 なぜなら、アザリーがキムラックで女神を押し返すことに成功したは良いが、それによって聖域が結界の不備を知ることになった。そのため、聖域側は自らの身を守るためにほぼすべての人間を見捨てて結界を最小限のものにしようと考えた。当然人間側はその動きに反発し、最接近領の領主を中心に聖域側と敵対することになる。領主は聖域の設備を使って魔王スウェーデンボリーの力を召喚し、その力によって女神を追い払うというプランを持っていた。そのプランの鍵を握るのが、聖域によって作られた人造人間であるロッテだったのだ。領主はプランを成功させるため、領主のエージェントだったコルゴン、強力な魔術士オーフェン、結界の外から帰ってきたアザリー、人造人間ロッテ、同じく人造人間である自らをを手駒にして聖域へと攻めこむ。
 最終的に領主のプランは成功し、召喚された魔王の力はオーフェンに託されることになった。しかし、オーフェンはその力を使って女神を追い返すことはしなかった。彼がしたのは、結界をすべて取り外すこと。生きている限り明日にも死ぬかもしれない。それを否定しようとしても無理が生じるだけであり、さらにその無理をたった一握りの限られた者に託すのは筋が違う。生きることのリスクは全ての者に平等に振りかかるもののはずだ、彼はそう考えたのだ。また、女神が侵攻してくるのも単にバランスの問題で、結界があるから攻めてくる、結界がなければ攻めて来ないのでは?とも考え、はたして結界を取り外してみると女神もどこかに行ってしまった。彼は長年大陸を苛んでいた、女神によって滅ぼされる絶望を解き放ったのだった。

20巻直後くらい ※ここから先の話は元々限定本に載っていたものですが、今後再版されるそうです。そちらを読む気のある方は読まないほうが良いかと思われます。

 オーフェンが結界を解き放ったあと、各地で様々な内紛が勃発した。これらの首謀者としてオーフェンは反逆罪に問われ、逃亡の生活を続けていた。また、魔王の力は未だオーフェンの中に残っており、オーフェンはこの力の扱いにも苦慮していた。さらに各地には紛争で住む場所を追われた難民が多数おり、社会問題の一つになっていた。
 オーフェンはこれらの社会問題と自分の問題を解決するため、開拓事業を提案する。結界がなくなったことでキエサルヒマ大陸以外の大陸にたどり着くことができるであろうという予測の元、行き場を無くした難民を新大陸の開拓民として送り出し、自らもそれにまぎれて逃亡を図ることにしたのだ。さらに、新大陸にいるであろう魔王スウェーデンボリーに力の返還をしたいとも考えていた。そうしてオーフェンや彼の仲間などが順次新大陸へと移り住むこととなった。

20年後くらい

 開拓事業が始まってから約20年、オーフェンは新大陸の学校の校長先生になっていた。キエサルヒマ大陸育ちの青年マヨールは、妹のベイジットと共に新大陸の学校見学に行くことになった。そしてオーフェンの娘3姉妹に案内され、一見平和に見える新大陸にも様々な火種が転がっていることを知る。
 要人テロの危険性、新大陸と旧大陸の力関係による政治的危険、さらに神人種族の危険。とりわけ最後の神人種族とは、新大陸にて遭遇する未知の脅威であった。これを制圧するために魔術の発展形である魔王術が新大陸では考案された。
 マヨールはオーフェンに、この技術を旧大陸に持ち帰って力ある魔術士に広めて欲しいと依頼された。そのためにオーフェンの秘書である青年ケシオンも同行することになったが、このケシオンこそが魔王スウェーデンボリーその人であるのだ。なぜオーフェンスウェーデンボリーに力の返還が出来なかったのか、なぜ旧大陸の魔術士にも魔王術を広めたいのか、謎は残るままである…。

 と、かなり端折りましたがこんな感じです。あらすじにしてしまうとクリーオウとマジクの存在が消えてしまうということにはそれこそ5巻ぐらいまで読んだ頃には気づいていましたが、こうも名前が出てこないとはorz。でもこの二人にボルカン、ドーチンがいないとオーフェンじゃないんですよね。
 オーフェンシリーズってなんか不思議です。
 それと、このあらすじは本当に本当に端折りまくってます。アザリーが尊敬できなくなったのにどうしてオーフェンはずっとアザリーを気にかけてるんだよ?、とか、女神の侵攻をほとんどの人間が知らないのに組織的に対立してるのなんで?とか、そもそもクリーオウとマジクの二人は何やってんの?とか、ちゃんと読めば色々分かります。
 特に個人的には、東部編から新大陸に渡るまでのクリーオウの心の変遷が大好きです。無茶で無謀ででも無敵な彼女が、本当にどうにもならないことがあることを知り一度は絶望をしても、願いを叶えるため自分を変えていき、でも立ち直るわけではなくて絶望も自分の大事な一部分にしてしまうというかなんというかそういうところがすごく好きです。西部編では刃物で敵に斬りかかり血が出たら驚いて悲鳴を上げてしまうようなクリーオウが、本編終了後は敵に暴力を振るうことをうんざりしながら決心するようになるのです。
 まぁだらだら書きましたがあれです。時間があるならちゃんと本編読んでね、ってことです。