なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

輪るピングドラム13話の違和感

 13話を見たときに「なんか変だな」と思ってたことが2chのスレでも突っ込まれてたので、ちょっとまとめてみる。主に警察関連への違和感。

  • 警察なのに手帳を見せない

 まず、高倉家へ突然やってきた警察が手帳も見せず、彼らのことについては池辺のおじからの電話で警察だと告げられ、兄弟は彼らに保護されることになる。さらに最初に彼らがやってきたときは車1台しかないのだ。普通だったら保護係と捜索係の2台ぐらいで来るものではないだろうか?

  • ホテルの部屋におじから電話がかかってくる

 保護された3兄弟は、子供とはいえ重要参考人のはずだ。警察以外の人間からの接触というのは厳しく制限されてしかるべきである。それは親類であっても同様のはずだ。しかし3兄弟が保護された部屋へおじから直接電話がかかってくる。普通ホテルの電話というのはフロントにつながり、そこで各部屋へと取り次いでもらう形になる。そうではなく外部から直通でかけられるとしても、少なくともおじは3人の部屋番号まで知っていたはず。これは3兄弟の参考人としての保護という面から考えるとちょっとおかしい。さらに前者のフロントから取り次いでもらう通常の形でかかってきたとするならもっとおかしい。警察の側は子供たちに対する、マスコミなどの他者からのアプローチを防ぐためホテルの側に話を通すことすらしていなかったということになるからだ。
 どちらにせよ、警察を名乗る彼らは3兄弟に対する保護姿勢が甘すぎる。

 この2つの違和感から、私は以下の推論を立てた。

 まず3兄弟を保護した人物たち。彼らはKIGA側の人間で警察を騙って3兄弟を確保した。しかし、テレビで映っていた高倉家の家宅捜索は本物の警察によるものだと考えている。そして、おそらく3兄弟の両親は無罪だ。
 最初にKIGAの側は高倉家に警察の家宅捜索が入ることを知る。そこで、高倉夫妻をスケープゴートに仕立て上げるために警察に先んじて兄弟を確保。それから警察が実際に家宅捜索にやってくるまでの間に夫妻が犯人であるかのような証拠を仕込み、その後本物の警察による捜索が行われ、高倉夫妻は容疑者になってしまう。当然池辺のおじは真っ黒だ。

 しかしこの推論には1点矛盾がある。本物の警察が3兄弟の行方を気にしなかったはずがないということだ。この点については、3兄弟には知られない形で次のようなやり取りがあったとしたら解決できるかもしれない。池辺のおじが3兄弟を連れて遊びに行くなりしていたので家にいなかった、保護してやってほしいということで本当の警察に身柄を引き渡すということだ。それでもおじの言い訳と3人の証言に矛盾が起きてしまうが。

 この物語は明らかに家族の絆をテーマにしている。そのテーマから考えたときに、両親の罪をかぶる負の連鎖を描くのか、両親の無罪を信じそれが報われる希望を描くのか、まったく別の絵が現れるのか、現時点では判断しきれる証拠はない。
 しかし私は希望を見出したいと思っている。両親の無罪を信じる幼い冠葉の叫びが空虚にこだまするだけに終わってほしくない。

追記:仮に池辺のおじがKIGAとは関わりのない第3者だったとしても、私は彼が嫌いだ。店のためだといっても、甥っ子たちの財産を巻き上げようとするところや、高校生が払える額じゃない金額を振り込まれてもその出所について深く追求しない無責任な姿勢。非常識もいいところだ。