覚えていてもらう奇跡

『本当にすべての望みを失って初めて、人に最後に残る望みが何かわかった』
「……男は何を望んだのだ……?」
「アフダルよ、それは伝えるということである」

堤抄子 エスペリダス・オード3巻より

 

僕を覚えていて 指で文字をなぞっては

大声で泣いた夕映

石川智晶 Vermillionより

 

 この二つの言葉は、私の中にしっかりと残っている言葉です。

 この二つを合わせて考えてみると、人に残る最後の望みは、自分のことを伝え、そして覚えていてもらうことなのかなぁと思うのです。

 ウェブが発展して、誰しもが自分のことを発信できる世の中になりました。その一方で、覚えていてもらうのは難しいように思います。

 けれども、知らない誰かがどこかで私が書いたものを目にして覚えてくれている、そんな小さな奇跡を信じてもいい時代になりました。

 ウェブ上に何かを発信している人たちは、きっとそんな奇跡を信じているのだと思います。

 そして、そんな奇跡を起こすために、誰かを覚えておくために、ネットサーフィンをするのもきっと悪くはないのでしょう。