なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

物語を空間で把握する

 ゲーマー世代の人は、『一本道のストーリー』という用語を口にすることがある。もちろん褒め言葉ではなく、たった一つのシナリオを延々と見せられている場合などに用いられる。

 ゲームには、物語が分岐したりするインタラクティブ性があり、それが当たり前になってしまった世代には、ゲームにおいて『一本道のストーリー』しかないのであったら、それはマイナスの印象なのだ。

 では、『一本道のストーリー』の逆の用語はなんだろうか?それはおそらく、『広がりのあるストーリー』だろう。一本道という一次元から、広がりという二次元に拡張されたのだ。

 つまりゲーマー世代は、物語を空間的に把握する能力がある、と推察できないだろうか?

 メインストーリーがあり、サブストーリーが幾つか並列にあり、最終的にサブストーリーがメインストーリーに合流する、といったことを空間的に考え、把握しているのではないかという話だ。

 普通はこれは難しい。けれどもゲーム内シナリオの場合、イベントが起こる場所とストーリーの舞台は大抵一致しているので、ここには〇〇のシナリオがあり、こっちには△△のシナリオがあり、といった具合で、ゲーム内の空間構造がそのまま、物語を空間的に把握する能力に寄与しているのではないかと思うのである。

 しかし、だからどうという話ではない。