なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

そろそろはてなブックマークは解体されるべきではないだろうか

 はてなブックマークは大まかに分けて2つの使い分けがされている。

 一つが、ただのブックマークとしての使い方。Yahoo!のトップページや純粋に役に立つ記事などがこの使い方でブックマークされている。特徴はコメントが極端に少ないこと。

 もう一つが、ウェブページにコメントを残す使い方。炎上記事はこれでコメント欄まで巻き込んで燃えあがる。もちろんコメントが多いのが特徴となる。

 前者と後者では同じブックマークでもその性質は大きく異なる。なので、思い切ってはてなブックマークを前者の用途と後者の用途に解体してしまったらいいのではないだろうか?

 特に、後者の用途ではてなブックマークを使うのには限界がきていると感じる。炎上記事に『ブックマーク』はしたくないがコメントだけ残したいという用途で、2階建、3階建と呼ばれるメタブックマークまで登場している有様だ。

 前者と後者がまぜこぜになっていることで、ユーザが被る不利益というのはとんでもなく歪んだ形で表れていると思っている。

 前者の用途ではてなブックマークを使っている人にとっては、後者の用途で多数ブックマークをされる記事を見せられるのは苦痛だろう。

 また、後者の用途でブックマークを使っている人は、記事に一言言いたいのだけれど『ブックマーク数』という、人によってはプラスのフィードバックとして受け取るものを増やしたくないというジレンマに陥っている。

 そして、ブックマーク数が人からの注目度を表している限り、承認欲求にかられたスパマーが現れる。それは前者と後者両方にとっての不利益だ。

 

 元々ソーシャルブックマークというのは、人々のブックマークを共有して有意なサイトを発見、ランク付けし、個人に合わせてレコメンドするということを目標に作られていた。そうした意味合いを考えてみると、前者の用途がより当初の意図に沿った使い方だと言える。

 だが、多くはないと言えど数あったソーシャルブックマークサービスのうち、はてなブックマークが生き残ったのには一つの理由がある。それはコメントレーティング、つまり、はてなスターがあったことだ。コメントをつけるだけの機能ならば他のソーシャルブックマークサービスも備えていた。が、そのコメントにレーティングをする機能をはてなブックマークは備えていたのだ。加えて、はてなには元々SNS的なユーザコミュニティがあった。これらがはてなブックマークのコミュニティを盛り上げ、後者の用途を増幅した。

 

 ソーシャルブックマークというものの姿は、今のはてなブックマークの姿に行き着く以外の道はなかったのかもしれない。

 だが、前者の用途と後者の用途がハッキリ分かれている今、このままのはてなブックマークでいいのかと疑問がよぎる。

 両者を受け入れられる今のシステムは、確かに魅力的なのかもしれない。だが、有益な記事と共に炎上している質の悪い記事が上がってくるシステム設計や、議論を深められないコメント欄の仕様などは、誰が得をするのだろう?

 はてな運営がこの問題点を認識していないということはないだろう。むしろ私よりもしっかりしたデータを持っている分、より正確に把握しているはずだ。

 はてなブックマークの今の姿は、使われている姿に合わせて自己増大していったための混乱があるように思える。それは今まで述べてきた通りだ。

 だが、より使われている姿に合わせるのならば、ユーザの違いと用途を把握し、それに沿った新サービスとして生まれ変わるべきではないだろうか?