なにかのまねごと

A Journey Through Imitation and Expression

ドラゴンクエストは偉大すぎるがモンスターデザインもまた偉大すぎる

 ゲームにおけるモンスターは打ち倒すべき敵だ。敵ならば敵らしく、プレイヤーの敵愾心を煽るようなデザインになるが普通だと思う。不気味だったり、怖かったり。

 でもドラクエは違う。モンスターという『一番多い登場キャラ』を親しみが持てる外観にした。偉大な判断である。

 そもそも、ドラクエのメインコンテンツはレベル上げだと思っている。ストーリーも素晴らしいのだが、それは小説やマンガでも表現できるものだ。けれども、『レベル上げ』はゲームでしか表現できない楽しさだ。

 そのレベル上げのお供となるのがモンスターである。モンスターは一番多い登場キャラであると同時に、一番プレイヤーと多く接する登場キャラでもあるのだ。そのモンスターがいちいちプレイヤーの敵愾心を煽るようなデザインでは、プレイヤーは疲れてしまう。

 けれども、ドラクエのモンスターはどこか親しみを持てるデザインでプレイヤーの負担にならない。そうしたデザインを採用したドラクエの製作陣は偉大な判断をしたと言えると思う。

 この判断がなければ、おそらくドラクエの大ヒットはおろか、ポケモンすら生まれなかったのではないだろうか?なぜなら、ポケモンはモンスターに親しみを持つという文脈の延長線上に作られているからだ。その文脈を作ったのは間違い無くドラクエだろう。

 ドラゴンクエストはやっぱり偉大なゲームだよ。と、ドラクエミュージアムの物販で買ったモーモンポンチョに身を包みながらつらつらと思ったのでした。